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『借りてきた猫』 池田 郁英2016.02

『借りてきた猫』

「猫」は私たちを癒してくれるのでしょうか。

最近、写真集やテレビなどで「猫」が取り上げられることが多く、ペットとしての人気度は犬とほぼ同じだ

そうです。

わたしも高校卒業まで毎晩、猫と一緒に寝ていました。

枕元に、田んぼで捕まえた小さなヘビやハツカネズミを自慢げに運んでくるのには閉口しましたが、その

しぐさや表情は可愛いものでした。

今日は、その猫の話しを一つ…

 

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(インターネットフリー画像集より)

 

何かにつけて私たちは猫と犬を対比します。

「猫は家に、犬は人につく」…「ネコ型人間」「犬型人間」という分類もあります。

一般的に、猫は警戒心が強く内向的、一方、犬は人懐こく外交的と言われます。

その昔、長屋住まいのご隠居さんが自宅のネズミを捕ってもらおうと隣からネコを

借りてきた。だけどネコは、ちゃぶ台の下に潜りこんだり、部屋の隅でじっとして

何の役にも立たなかったとか。

警戒心の強い猫は、部屋の空気や匂い、雰囲気が違うと急におとなしくなるのでしよう。

まさに「借りてきた猫」です。

 

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(‘みーや’・弊社スタッフの愛ねこ)

 

 

メールやSNS等がコミュニケーションの主流になったせいか、最近は他との直接的な接触を嫌う傾向

があります。

慣れ親しんだ心地良い自分の空間から一歩出ると、違う空気に馴染めず「借りてきたネコ」になってしまいがちです。(借りてきた猫も可愛らしいのですが)

 

私たちの仕事は、建築主との会話に始まり会話で終わります。

建築主のもつ生の空気、所作、声色など五感で感じながら気持ちを一つにしていかなければ良い作品は生まれません。

便利さとスピードは捨て難いのですが、メールやSNSは単なる補助手段。

「借りてきたネコ」では建築主の信頼を得ること、絶望的です。

 

 

取締役社長

池田 郁英